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FOUNTAINS OF WAYNE / Fountains Of Wayne (1996)

 本日のCD。気ままに、お気に入り旧譜を紹介していきます。前回はフラミンゴーズでしたから、やはりこのジャケを並べてみたい!ということでFOWです。

Fountains of Wayne
 やっぱり、このアルバムが一番好きだ。その時期によって "Utopia Parkway" が好きだったり、"Welcome Interstate Managers" が好きだったり、"Traffic And Weather" が好きだったりするが、最終的にはこのアルバムに戻ってくる。初期衝動のまま荒削りのようでいて、実は計算尽くされ磨き上げられた逸品。それに気が付くのは、彼らの音楽をしばらく聴き続けた後になってからだ。
 ファウンテインズ・オブ・ウェインは学生時代の友人だったクリス・コリングウッド(Vo/G)とアダム・シュレシンジャー(B/BV)によって96年に結成。これ以前にも二人は複数のバンドを経ているようだが詳細は不明。同年リリースされたこの "Fountains Of Wayne" は、ほぼ二人のみでレコーディングされた。アルバム・リリース直前ツアーを前にして、元ポウジーズのブライアン・ヤング(Dr)と元ベルタワーのジョディ・ポーター(G)を加え、現在まで続く鉄壁のラインナップとなる。
 60年代のブリティッシュ・ビートと、70年代のパンク以降を思わせるノイジーでクランチーなギター、80年代以後パーソナルで小説的な歌詞世界、90年代以降のブリットポップ・メロディ、様々な要素がそこに散見できるが、それを単純な足し算ではなく複雑な掛け算で構成したのがFOWのサウンドといっていいだろう。しかし、そんな作為は微塵も見えず、一聴する限りシンプル過ぎるほどシンプルだ。
 ここでオススメ曲を挙げようと思ったが全部が全部オススメと言う他ない。ライヴではアンセム級のナンバーが目白押しで、1曲でもセットから外れるとガッカリしてしまうという、まぁ困った状況が発生しているぐらい。アップリフティングなメロディがカタルシスを覚える M-1 "Radiation Vibe" と M-8 "I've Got A Flair"、疾走感が堪らない M-3 "Joe Rey" と M-5 "Survival Car" の4曲を特に挙げておくが、他の曲も負けず劣らず素晴らしいことは改めて付記するまでもないだろう。