GROOVY*PLACE

POWERPOP / GUITARPOP / All about MELODIC ROCK

THE SWEAT / No More Running

(2007/1977 Records/Japan)

 ベスト・リイシュー・オブ・ザ・イヤー2007はこの作品で決まりでしょう。ザ・スウェットは北アイルランド出身のクライヴ・カルバートンを中心として78年に結成。当初はノー・スウェットというバンド名だった。その後メンバーチェンジやレーベル移籍を経てザ・スウェットと名乗る。ダブルDレーベルより80年6月ファースト・アルバム「ノー・モア・ランニング」をリリース。評論家筋からは好評を得るも、流通上の問題などからさほど話題にもならず81年には解散。その後クライヴ・カルバートンはセッション・ミュージシャンに身を転じ表舞台からは姿を消してしまう(その間にも素晴らしいソロ作を作り続けるのだが、それは別項に譲ろう)。本作はその唯一のアルバムに、ノー・スウェット時代のシングル収録曲や未発表曲を追加収録したもの。全19曲収録。これ一枚で彼らの軌跡を一望することができる。素晴らしいパワー「ポップ」作品だ。パンクの文脈でも語られるのだろうが、それよりも断然「ポップ」の要素が強い。明るくキャッチーなメロディとリフは、同時代の(同じく北アイルランド出身の)スタージェッツあたりにも通じるものがある。07年10月に再結成来日公演(@下北沢シェルター)を見たが、音源と遜色ない若々しい演奏&ボーカル、金太郎飴のようなグッド・メロディの連打にシビれまくった。文句なく激オススメ。