GROOVY*PLACE

POWERPOP / GUITARPOP / All about MELODIC ROCK

THE MERCIES / The Mercies

(2007/Recordsbabies!/USA)

 ニューヨークはロチェスター出身の4人組、メルシーズのデビューアルバム。中心人物のマイク・ジェームズ(Vo/G/Key)は元 LONGWAVE のドラマーという経歴。しかし、ここで鳴らされる音はアップルズ・イン・ステレオやフレーミング・リップスのドリーミーなインディポップ(エレファント6系という感じも)、あるいはスローンやナダ・サーフ辺りを想起させるパワーポップのそれに近い。トイピアノ風のシンセとドコドコと軽快なリズム、ギターの小刻みなカッテイングが軽妙に鳴り響く、賑やかなポップソング "You Can't Stop Me Now"(M-2)にまず耳を奪われるが、他のトラックもなかなかいい。オーソドックスなスタイルの、真っ当で良質のポップソングが粒よりに揃っている。曲によっては60年代のブリテッシュ・ポップ、ビートル・ポップといっていいものも。わずか10曲のみアルバムではあるが、その完成度は既に高く、かつ底知れぬポテンシャルを感じさせる。ただ、いろんな側面がありすぎて、これという強い個性が見え辛くなっているのが難点か。全曲捨て曲なしの素晴らしさだが、個人的に気に入っているのは前述の M-2 のほか、M-1 "Colors Of The World"、M-6 "Break/Down/baby"、M-8 "A Lot To Say"、M-9 "Walk Right Now"(ベスト・トラック!)など熱いパワポ・テイストなナンバー群。