鬱ときどき散財、酒と映画の日々

中原昌也 作業日誌 2004→2007

　元暴力温泉芸者、現ヘア・スタイリスティックスとして活動するノイズ／サウンド・コラージュ系のミュージシャン…というより、昨今は小説家・映画評論家など文筆活動で知られる中原昌也。彼が2004〜2007年にかけて雑誌「EYESCREAM」に連載した日記「中原昌也の親指王子ケイタイ日記」を纏めたもの。ちなみに「親指王子〜」というタイトルは全て携帯のメールにて入稿したことに由来する。インタビュー記事やコラムに見られるように、相変わらず愚痴ばかりの日々の記録であるが、その間にも精力的にレコード・ＤＶＤを買いまくり、毎晩のように酒を飲み、眠れぬ夜は朝まで映画を観続ける。その詳細の記録が読む者をただただ圧倒する。日記物としては「池波正太郎の銀座日記」に比肩する面白さ。何かしらの対象に蕩尽放蕩の日々を過ごす人はシンパシーを感じることができると思う。ぼくは最高に面白かった。オススメ。