RACHAEL GORDON / The Coming of Spring
本日の一枚。ニッキー・アンド・ザ・コルベッツと並んで、現在進行形で活躍するフィメール・パワーポッパーの中では一番好きな人ですね。
Coming of Spring [12 inch Analog]
- アーティスト: Rachael Gordon
- 出版社/メーカー: Sounds of Sub
- メディア: LP Record
- この商品を含むブログ (1件) を見る
70年代のクラシック・パワーポップ、とりわけルビナーズやポール・コリンズ・ビート辺りを思わせる、勢いのあるサウンドを聴かせてくれる。歌メロでいえば60年代の古き良きシュガーコーティング・ポップといった趣きもある。この手のサウンドにありがちな男まさりなボーカルではなく、フェミニンでありながら過剰に甘すぎないキュートでエレガントな歌声が、彼女の最大の魅力だろう。
収録曲の半分がオリジナルで、ソングライターとして名を連ねているのが、このアルバムでベースを弾くヘクター・ペネローザ、同じくギターのフランク・バラジャス、レイ・ブランデス、バート・メンドーザ。しかし、ソングライターの相違による、雑多な印象は一切皆無で、アルバム通して不思議と統一感がある。
収録曲の残り半分がカバー。M-3 でクリス・ヴォン・スナイダーンの "Dream Away" を、M-5 でパイパーの "Drop By And Stay" を、M-7 で AJクロース(Keyで参加!)の "Don't Leave Me Now" を、M-9 でレコーズの "Heats Will Be Broken" を、M-10 でサー・マッカートニーの "Come And Get It" を M-13 でフライング・カラーの "The Farewell Song" を、M-14 ではベイビーズの "You Got It" を採り挙げており、そのセレクトにもニヤリとさせられる。
とにかくエクセレントのひとこと。00年代にリリースされたパワーポップ作品の中でもマスターピースのひとつと数えていいでしょう。何年経っても、大事に聴いていたい一枚。アートワークも素晴らしく、過去の偉大な名盤と並んでも遜色ない。
ただ、残念なのは彼女のリリースの少なさでしょうか。オリジナル・アルバムはこれだけで、あとはスプリット7インチが数枚、06年に Wizzard In Vinyl から発売された編集盤 "Rock'N'Roll Girl"(もう既に廃盤なので見つけたら即ゲットね。ディスクユニオンならまだ新品があります)ぐらい。うむむ、早く次の作品を聴きたい。
Myspace