バルチモア出身の
パワーポップ・バンド LOVENUT のアンディ・ボップによる
ソロ・プロジェクト。途中ベスト盤(02年)を挟みつつ、気づけばもう(オリジナル・アルバムとしては)6作目。前作 "Treblemaker" からは4年ぶりとなるが、98年デビューだからコンスタンスにリリースを続けているといえるだろう。ことごとく外れのないハイ・アベレージな人なんだけど、これもまた素晴らしい傑作に仕上がった。全15曲ことごとく捨て曲なし。
ビートルズ〜バッドフィンガー系のグッド・メロディに、70年代の
パワーポップ/パンクの
エナジーを注入、かつどこかレイドバックしたようなゆったりした
サウンド、アナログ/ビンテージ感あふれる音作りは、今回もまた冴えわたっている。若い人から玄人好みのリスナーまでも「うむむ」と唸らせ魅了する職人技は見事。強力なパーソナル(記名性)がないのが弱みではあるが、安心して聴けるロック界の「
無印良品」といっていい(褒め言葉よ)。噂されつつも立ち消えになった来日公演も実現して欲しい。