GROOVY*PLACE

POWERPOP / GUITARPOP / All about MELODIC ROCK

ALL DAY SUCKER / Big Pretend


(2008/Trademark Entertainment, big WOW Music/USA)
 カルフォルニア州ロサンゼルスをベースに活動する5人組バンドの08年リリースのセカンド・アルバム。これがネクスト・ジェリーフッシュとでも呼べそうな、万華鏡のようにクルクルと豊かに表情を変える、コンセプチュアルな独自のポップ・ワールドを繰り広げてて素晴らしい。
 全ての作曲をキーボードのジョーダン・サマーズが手掛け、全ての作詞をヴォーカルのモーティ・コイルが手掛けている。いまどきこういう分業体制というのはちょっと珍しい気がする。バンドの母体は二人の高校時代の前身バンドにまで遡り、その当時からジャズ、ポップ、R&B、ニュー・ウェーヴ、ブルース・クラシックといった雑多な音楽性のサウンドを演っていたようだ。
 やがて二人は音楽キャリアにシリアスになる決断をし、オール・デイ・サッカーを結成する。バンド名の由来はスティービー・ワンダーの曲名からだという。当初このバンド名は後にマルーン5(カーラズ・フラワーズ)となる友人のバンドのために考えたものだったらしい。そういえば、どことなくマルーン5の音楽性にも共通するものを感じるなあ。若干黒っぽいところとか。
 正直言って、かなり変わっている。最初はとっつき辛いかもしれない。好き嫌いはかなり分かれると思う。しかし、聴けば聴くほどクセになるサウンドだ。グルーヴィなリフに、魅了的なフック、美しいコーラス・ハーモニー、凝ったアレンジ、それらを軽々と束ねる強力なメロディライン。それはもうオール・デイ・サッカー・スタイルとでも呼ぶしかない唯一無二の世界を作っている。
 ヴォーカルの声質はまるでエルヴィス・コステロみたいでかっこいい。エルヴィスが好きな人もぜひ。あと、ELO(ジェフ・リン)、ジェリーフッシュ、はたまたスティービー・ワンダーからプリンス(!)が好きな人まで、是非試してもらいたいですね。かなりの珍味ですが、面白い音ですヨ。
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