GENTLEMAN JESSE AND HIS MEN / Gentleman Jesse

Geltleman Jesse

　まるでリイシュー物のような佇まいのアートワーク（コステロの "This Years Model" を思わせる）と、鳴らされるヴィンテージ感溢れるパワーポップ・サウンド。しかし驚くなかれ、これは正真正銘の現在進行形の新人バンドのデビュー・アルバム（2008年）だ。
　ジェントルマン・ジェシー（アンド・ヒズ・メン）はジョージア州アトランタ出身の４人組バンド。ソングライターでヴォーカルのジェシー・スミス（写真の人物）のほか、G/Vo のグレッグ・ジョーダンと Dr のデイヴ・ラーンの３人は、CARBONAS というガレージ・バンドのメンバーでもあることから、パーマネントなバンドというよりはサイド・ユニット的なものなのかもしれない。
　70年代クラシック・パワーポップ好きには諸手を挙げてオススメしたい名盤！　時代を軽く超越するメロディ・センスを如何なく発揮する、ジェシー・スミスという素晴らしいＳＳＷの才能にただただ脱帽するしかない。エヴァーグリーン、タイムレス、生まれながらのクラシック、とでも言ったらいいだろうか。いや、決して大げさな讃辞ではなく、一聴すれば納得してもらえるはず。
　ビッグ・スターを思わせるジャングリーなパワーポップを聴かせたかと思えば、ビーチ・ボーイズぽいコーラスの軽快なサーフロックを。かと思えば、バズコックスやエクスプローディング・ハーツばりのソリッドで性急なガレージ・パンク・ロックもやってのける。また歌声は甘酸っぱく魅惑的で、初期のエルヴィス・コステロやニック・ロウ、ジョナサン・リッチマンあたりをリマインドさせる。
　EQUALSの"I Get So Excited" カバーも含む、充実の全13曲。
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