SHEBOYGAN / It's Ok Say Yes.

(2007/Sheboygan/USA)
　これはちょっと素晴らしいんじゃないか。ジェリーフィッシュとファウンテインズ・オブ・ウェインの音楽性のファイン・ミクスチャーといっていい。テキサス州オースティン出身の３人組、シボイガンの07年のデビュー・アルバム。
　このシボイガンという変わったバンド名は、ウィスコンシン州の小さな町の名前から取られたという。どうした由来でこんな名前にしたのか不明だが、なんとなく字面が面白い。綴りは違うが、彼女（She)・少年（Boy）・拳銃（Gun じゃなくて Gan だ。惜しい！）みたいな。
　2004年にセルフタイトルの４曲入りのＥＰでデビュー。こちらは未購入ながら、ネットで試聴した限りでは、オルタナ・カントリーぽい雰囲気のポップなナンバーで、今作とは若干趣が違うもののこれまた好きな感じ。ジェイホークスとかオレンジ・ハンブル・バンドあたりを思い出した。そこから３年を経てリリースされたフルアルバムがこの "It's Ok Say Yes." だ。
　このバンドの強みは、二人の強力なソングライターがいることだろう。ギターのクリス・ジブハードが１・３・５・８・９曲目を、ベースのコリー・グラーザーが２・４・６・７・１０・１１曲目をと、ほぼ半々の曲を書き、それぞれ自作でヴォーカルを取っている。それぞれの作風は一聴したところ差異は感じられず、歌声もよく似ていて、改めてその事実（＝二人のソングライター）に驚かされる。
　アルバム通して統一感があって、楽曲ひとつひとつのクオリティがめちゃめっちゃ高く、素晴らしいの一言。ビートルズやバッドフィンガー、ビーチボーイズを思わせる美麗なコーラス・ハーモニーも素敵過ぎ。オブスキュアな存在というのが信じられないほど圧倒的なポピュラリティ！
　全てのジェントル・ポップ、パワーポップ・ファンに激オススメ。冒頭に書いたように、ジェリーフィッシュ、ファウンテインズ・オブ・ウェインのファンの方はもちろん、トッド･ラングレン、ビッグ・スター、チープ・トリック、ウィーザーが好きな方もぜひ。
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