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THE MAYFLOWERS / Bremen Rock

BREMEN ROCK

BREMEN ROCK

 60〜70年代ブリテッシュ・ロックにインフルエンスされたビンテージ感溢れるモダン・パワーポップを聴かせてくれる、京都をベースに活動する3人組バンド、ザ・メイフラワーズ。06年にリリースされた傑作ファースト・フルアルバム "Pop-a-doodle-doo?" に続くフォローアップ・アルバムが遂に登場。全8曲とコンパクトながら、これがまた素晴らしい出来でマイってしまった。
 ザ・メイフラワーズは03年、里山理(Vo/B)と元VOICESのあべまつひろし(Vo/G)の二人のソングライターで結成。ファーストリリースとなった "MayDay EP" はXTC公認ファンサイト Chalkhills で高く評価され、翌04年にリリースされた "Are You Green? EP" は Not Lame を始め国内外で注目を浴びるきっかけとなった。06年には満を持して傑作アルバム "Pop-a-doodle-doo?" をドロップ。06年・07年・09年と世界最大のパワーポップ・フェス International Pop Overthrow に招聘されるなど、年々国際的にその評価を高めている。
 とはいえ、前作からここまでバンドとしての歩みは順風満帆というわけではなかった。ドラマーがなかなか定着せず(一時期ファイヴ・サーティのフィル・ホッパーも在籍)、06年末にはソングライターの片割れだったあべまつひろしが脱退。ザ・メイフラワーズは里山のユニット的な時期をしばらく過ごすことになる。しかし、07年に才能あふれる若きシンガー/ギタリスト田中規之(加入当時19歳!)を迎えリ・スタート。その後、精力的にライヴを重ね今作のリリースに至った。
 アルバムはタフなロックンロール・ナンバーである M-1 "Move Over" からスタート。まるでレニー・クラヴィッツがオアシスでプレイしているかのような強靭なギターのリフと、田中のソリッドかつ伸びやかで力強いボーカル、ポップなメロディ、美麗なコーラス(ちょっとムーヴァーみたいなのはご愛敬)、新生メイフラワーズを強烈に印象付ける1曲だ。
 続く M-2 "What You Gonna Do?" はコーネリアスの "What You Want" を思わせるスピード感溢れるグルーヴィなナンバー。ここでも田中のソリッドなボーカルが映える。M-3 "Rubber Sole" はその田中自身のペンによるウルトラ・ポップ・チューン。もしかしたら、今作のベスト・トラックかも。彼はソングライターとしてもはかり知れないポテンシャルを秘めていることが分かる。チュルチュルチュルリルリル〜というサビのスキャットが何とも愛らしい。
 M-4 "Lucy At The Rainbow" はビートルズ・マナーでインド音楽の要素を咀嚼したサイケデリック・チューン。ちょっとクーラ・シェイカーを思い出す。視界がグーッと広がっていくような開放的なメロディが素晴らしい M-5 "Goodbye" は早くも名曲の風格。"Rubber Sole" と並ぶポップ・チューン M-6 "Oh! Baby" は "That Thing You Do" を思わせるズンチャチャというドラム・イントロから「ベイビィ、ベイビィ、アンダースターンド♪」というコーラスに至るまで心をつかまれ放し。本編のクロージング・ナンバー M-7 "Rain Song" はポール・マッカートニーを思わせるピアノ・バッキングのスケール感のあるバラード。
 最後の M-8 はボーナス・トラックで、前作収録の "Goodtimes Badtimes" の再録。とはいえ、ボーカルはあべまつから田中に差し替えとなっており、バックトラックも新メンバーで録り直されているニューヴァージョンだ。これはライヴの締め曲となることも多いアッパーなモッド・チューン。彼らのライヴのエナジーを素晴らしく封じ込めている。
 ビートルズザ・フー、ジェリーフィシュ、スローンあたりが好きな人に是非おすすめ。日本にもこんな素敵なバンドがいるってことを知ってもらいたい。もっともっと沢山の人の耳に届いて欲しい。文句なくエクストレメリー・ハイリー・レコメンデッド!
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